Les Cadeaux Sinceres by CHIHIRO HATANAKA

お菓子の歴史

The history of sweets

お菓子には、その誕生に様々なストーリーがあります。
今年から、お稽古でご紹介するお菓子にスポットを当て、その歴史的・地理的背景も含めご紹介します。

第1話 gâteau au chocolat de Nancy

フランス北東部ロレーヌ地方の中心都市、ナンシーの伝統的なチョコレートケーキです。
ナンシーのガトーショコラは、たっぷりのチョコレートに加えアーモンドプードルが配合され、しっとりとした食感が特徴です。
今回私は薄力粉の分量、卵白の個数を少しずつ変えて試作を繰り返しました。
本場では、チョコレートがかかっているのか、焼き放しの仕上げなのかわかりませんが2月のお稽古では、バレンタインデーにお作りいただきたいので、ハート型で焼いて中にガナッシュを詰めたものと、全面グラサージュで覆ったもの、2種類ご提案しようと思います。

ナンシーのガトーショコラ 01
ナンシーのガトーショコラ 02

ロレーヌ地方は、ベルギー、ルクセンブルグ、ドイツの3カ国に隣接しており、チョコレート菓子が多く18世紀美食家として知られるスタニスラス・レクチンスキー(ルイ15世の父・第5話マリーレクザンスカに登場)が宮殿を構え、栄えた事から数々の有名なお菓子が生まれています。
例えば、ババ、マカロン・ド・ナンシー、マドレーヌ(コメルシー)など。
ミラベル、さくらんぼ、すぐりなどの果樹栽培が盛んで、これらを使ったタルト、ジャム、ブランデーも名産品として知られています。
又、コントレックスやヴィッテルなど、硬水ミネラルウォーターの水源地域でもあります。
この様に気候風土に恵まれ、その他ガレーやドーム等のガラス工芸も有名。
世界遺産も多く…と、魅力溢れるロレーヌ地方。
是非訪れて、本場のキッシュ・ロレーヌを味わってみたいものです。