お菓子の歴史
The history of sweetsそれは、はるか5000年以上も前、古代エジプト(BC3000~)で神々への供え物としてはちみつやいちぢく、デーツなどを使ったお菓子が誕生しています。
古代ギリシャ時代(BC1000頃)には、乳製品や卵が使われるようになり古代ローマ時代(BC500頃)には、はちみつやアーモンドを使った糖菓(ドラジェやヌガーの原型)が作られています。
~と、ここまでさかのぼってお話を始めると、とてつもない世界にはまりそうですので、お菓子を国から国へと繋いだお姫様にスポットをあてて、 興味深いお菓子のエピソードをご紹介していこうと思います。
第1話 カトリーヌ・ド・メディシス
(Catherine de Medicis) 1519~1589

Les Cadeaux Sinceresのカードにもなっているマカロン(Macaron)。
マカロンといえば「マカロン・ムー」あるいは「マカロン・リス」と呼ばれるカラフルなパリ風マカロンを想われる方も多いと思いますが、その歴史はとても古く、16世紀、イタリア・フィレンツェのメディチ家よりフランス王家に嫁いだ カトリーヌ・ド・メディシス(イタリア語名はカテリーナ・ディ・ロレンツォ・デ・メディチ)により伝えられたといわれるイタリア発祥の伝統菓子です。

彼女は、1533年、後のフランス王アンリ2世と結婚。
お菓子やアイスクリーム職人、料理人を伴ってお嫁入りしたといわれています。
当時手づかみで食事をしていたフランス宮廷に、カトラリーや食器類、食事のマナーを持ち込み、イタリアの食文化をフランスで開花させたのです。
彼女によってもたらされたとされるお菓子は、マカロンのみならず、アイスクリーム、フロランタン、フィナンシェなど数多くあります。
10人の子を出産し、夫の死後、摂政として王権の維持を図り、プロテスタントの抹殺を企て、 「サンバルテルミーの虐殺」を行うなど、悪名もとどろかせましたが、芸術を愛し、フランスの食文化を発展させた功績はとても大きいのです。
写真は古典的マカロンのひとつで「アマレッティ(Amaretti)」と呼ばれるもの。
マカロンの原型ともいわれています。
イタリアの修道院では、791年にすでにマカロンが作られており、フランスで一番古いマカロンは、ロワール地方コルムリ修道院に伝わるもの。
この様に、多くのマカロンは修道女によって作られていました。
有名なものでは、
マカロン・ド・ナンシー Macarons de Nancy |
表面のひび割れが特徴 | ロレーヌ地方 ナンシー |
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マカロン・ド・アミアン Macarons d' Amiens |
ねっちりとした歯ごたえ 濃い焼き色が特徴 |
ピカルディ地方 アミアン (アミアン大聖堂が有名) |
マカロン・ド・モンモリオン Macarons de Montmorillon |
星形の口金でしぼられる | ポワトゥー・シャラント地方 モンモリオン |

ひとつひとつのマカロンに、誕生と伝承のストーリーがあり、 是非、レシピを得て作ってみたいものです。