お菓子の歴史
The history of sweets第9話 Mirliton

2015年バレンタインデーにむけて「ミルリトン」というお菓子をチョコレート風味でご紹介しています。
私が「ミルリトン」に出合ったのは、実に40年前。当時師事していたドイツ菓子の先生から教わりました。
名前がなんだかドイツっぽくないなぁ~という印象を持ったことを覚えています。
それもそのはず「ミルリトン」はフランス・ノルマンディー地方の郷土菓子。
ルーアンという町で、昔から親しまれていた家庭的なタルトレットで、やがてフランス全土に広がっていったようです。
パイ生地の中にフィリングを詰めて焼き、粉糖をふった素朴なお菓子です。
地方によって、そこの特産物を使ったフィリングが見られます。
例えば良質な乳製品が作られるノルマンディーでは生クリームが配合されていたり、アーモンドだったり...
かつてドイツ菓子の先生に習ったフィリングは、卵を泡立てて作るスポンジの様なとても軽いものでした。
今回私は、そこへアーモンドプードルとチョコレートを配合し、軽いながらコクのある生地にしてみました。
薄く伸ばしたパイ生地を敷き込んだ上にこのフィリングを詰め、粉糖をふって焼きあげたミルリトンは、バランス良く味が決まり、皆様に大変喜んで頂いています。